ネックが弦の張力でボディーの付け根から起き上がった状態を『ネックの元起き』と言います、ローポジションでの演奏は気にならないのですが、サドルを低く削っても弦高を低くできない為ハイポジションでの演奏に支障が出ます、サドルの高さがないと音量も小さく音に張りも無くなります
『ネックの元起き』は『ネックの反り』より悪い状態ですので、工房に修理に出すとネックをボディーから外し、起きがってしまったネックの付け根を削り、再度ネックとボディーを接着する大掛かりな作業になり、工賃は7~10万円位!かかります、この修理を依頼する時は楽器本体のお値段や価値と相談ですね

元起きしたネックのイメージ

正常なネックのイメージ
元起きの調べ方
ウクレレやギターのヘッド側から見た時、指板のラインの延長先が丁度ブリッジの上と等しいのが正常なネックです、ブルーのラインより、下まわるレッドのラインに延長先がありますので元起きしています(実は購入時からこの状態でした)
定規を当ててみると良く分かります
拡大すると、、、、、
このようにギリギリの弦高に調整するとサドルの高さがほぼ無くなり、音量や音質に物足りなさが
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以下は元起き修理方法邪道版です
(絶対に真似しないで下さいネ!)
なんとノコギリでネックの付け根に切り込みを入れ、再接着すると言う荒技を実施している記事をネットで知りました、
3000円台のウクレレですので興味本位でやってみました、高価な楽器には行って欲しくないです、、、失敗は自己責任となりますm(__)m
ネックを養生しました
ノコギリで切れ込みを(^^::
今回邪道ネックリセットを3本実行しました、最初の1本目の時はクランプが無かったので適度な重しを乗せました
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正常なネックの状態は以下のようになります、指板の延長先とサドルの天井が同じ高さになります
17年経過のカマカですがネックには狂いが全くありません!
定規を当てると指板の延長先がピタリとブリッジの天井に来ます(^^
演奏に支障を感じない場合や音量に問題がない場合、ある程度の元起きは許容範囲と考えても良いかも知れません、今回はサドルの高さで弦高調整しても元起きのせい演奏性が改善されなかったので実験のつもりで実施した次第です、この方法ははっきり言ってお勧めできません
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このような真似して欲しくない記事を書いた訳、、、
安さにつられ元起きとは知らずにマーティンギターを中古購入し泣いた過去があります、ヘッド側から見て、指板のラインの延長先が丁度ブリッジの上と等しいかの確認の仕方を知っていればそんな目に合わずに済んだのですが、、、
有名ギターの中古が安値で売られている場合、ネックの元起きという重大な故障がある場合が多いので要注意ですね、確認方法は以前ギターの元起き修理を依頼した楽器店『ブルーG』さんに教えて頂きましたm(__)m